メンターの流儀

プロフェッショナルへのメンターの流儀

今年4月、2名の新入社員を迎えた。
彼らは3か月の研修を終え、現在は製造業のシステムに取り組んでいる。
彼らの研修を担当したのは、入社4年目の二人。
昨年に引き続きメンターを務めるTとMだ。

当社のメンターは、新人のすべての面倒をみる。
電話や来客時の対応から、経費の精算方法、精神面のフォローも。
もちろん、メインは技術指導だ。メンター自身もシステム作りの最初から最後までを担う実績ある技術者だ。

実は、当社のメンターは、制度化してからまだ4年目。TとMはまさにメンター元年の新人だった。
自分たちが受けた研修の記憶と、その感覚を思い出しながら指導に生かしている。

研修期間中は、メンター業務と並行して自身の受け持つ作業も行う。当然、プログラムも書くし、電話やリモートで問合わせや打合せもこなす。常に忙しい。
それでも、自身の作業を中断して研修生の質問にはその都度答えるし、行き詰まっているようならアドバイスをする。

M:作業のタイミングで、すぐに対応できない時は、Tくんに振るか、少し待ってもらうかして、なんとかやってます。
自分の効率が多少悪くなっても、それが自分の役目だし、イラッとするのは違うかなと。
もし不機嫌な雰囲気が出てしまうと、新人も気を遣って質問できなくなってしまうのでそこは気を付けています。

1日の終わりに、研修生はその日の研修内容と成果と感想、翌日の予定などを短くまとめた日報を書く。
その日報をもとに一人ずつメンターと面談する。

M:基本的にメンター二人揃って報告を聞きます。だいたいTくんが総括してコメントします。
まとめるのはTくんの方が得意なので。僕は意見を求められれば応えたり、気づいたことを話します。

ー メンターは2年目だが、1年目との違いはあるのか?

T:2年目は余裕があったので、カリキュラムの改善やスケジュールの調整がうまくなったと思います。
あと、人に教えること、わかってもらえるように話すことのスキルは上がったと思う。

ー メンターに必要なこと、心掛けていることは?

M:感情的にならないこと。熱くなりそうなら休憩するとか。
あとは、目の前だけに捕らわれず、全体を見ること。

同期入社で同年齢の二人。
普段の仕事はもちろん、メンター業務についてもリスペクトする部分があるそう。

T:指導する時、Mくんは相手に合わせて説明するのがすごくうまいなあと感じることがあります。
新人が自分で考えて答えを出せるよう上手に導いたり、気づかせてあげたり。

M:えー、そんなことあったかなあ。
まあ、お互い性格も好きなことも違うので、得意なところを生かして、苦手なところは補完し合うというか、自然と役割分担ができているかも。

ー メンター業務以外で、そもそもこの仕事の魅力とはなにか。

システムを作ることはモノづくりなので、出来上がるまでの工程ごとに大小の達成感を得ながら進めていく楽しい仕事だというのは二人の共通した認識だが。

T:僕は、要件定義のフェーズが好きです。海運業であったり、派遣業であったり、自分の知らない業界や業務のことを知るのが楽しい。その業界特有のルールや専門用語を理解したり、資料を細部まで読み込んだり。地道にコツコツは得意なので。
想像力を働かせて、運用上のいろんな障害を予測し、一つ一つ不具合の可能性をつぶしていったり。
より完璧なシステムを作れるよう、設計前に洗い出す作業が一番好きです。

M:僕は、実際にプログラムコードを書くのが一番好きです。少しでもカッコいいコードが書けるよういつも考えています。
カッコいい基準は僕の主観もあるかもですが、プログラムは単に正しく動けばいいということではなく、他の人が見てもわかりやすく、少ない行数で整理されたスタイリッシュなコードを書くことは常に意識すべきだと思いますし、新人にもそう伝えています。また、新しい技術を試すのも楽しいし、利便性の高いオプション機能を考えて、お客様に提案するのも面白いです。

メディアウェアの社員は、デザイン部を除く全員がプログラマー・システムエンジニアだ。
その内8割は文系出身で、その多くが入社までプログラムを見た事がない。Tくんもその一人。

T:だから、わからないことがいっぱいあるのは当たり前。そういう前提で、人を育てる風土があるのはいいと思います。

M:受託開発ゆえに、特にエンドユーザーの依頼の場合、言語やツールを含む構築方法を選択できる立場になるので、新しい技術を試す機会が多くあります。
ITの世界は、短いサイクルで常に新しいものが出てくるので、勉強になるし、実績にもなります。一石二鳥です。

ー 次年度は、後輩がメンターを引き継ぐかもしれない。アドバイスはあるか?

M:振り返ってみると、うまく行かなかったり迷ったり、絶対に大変なことはあったはずなのに、不思議と後悔はありません。

T:僕もそうですね。多分その時毎に精一杯できることをやったからだと思います。相手からすると足りてないこともあったかもですが。
もちろんよりよくするための前向きな反省は必要ですが、自分にストレスがないようにするのは大事なことだと思います。

指導した後輩が頼もしい同僚になっていくのを見るのは嬉しいですよ と笑った。

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